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公開日:2020.11.18

【三条】みんなで「街路灯」を考える〜京の三条まちづくりカフェ〜

京都景観フォーラムは「京の三条まちづくり協議会」の活動支援団体となり、様々なお手伝いをしています。

11月7日に開催された、第56回 京の三条まちづくりカフェは、「まちの灯り・街路灯が織りなす夜間景観」というタイトルで、講演とワークショップが行われました。
コロナ禍のなか、人数を限り、参加者には消毒やマスクの徹底をお願いしたうえでの実施となりました。

前半の講師は、京都景観エリアマネージャーのひとりで、YSポール株式会社の代表取締役、鈴木幸男さん。

YSポールは、信号機や高速道路の道路照明に加え、地域の特色をイメージした街路灯も数多く作っておられる、照明ポールの総合メーカーです。

今回の講演では、銀座の大通りの柱ごと光る街路灯、また、北海道の二風谷コタンのアイヌの模様を入れた街路灯、東京の永代橋では橋のデザインに合わせて数十年前に作られた街路灯をそのまま再現したものなど、様々な風景のなかに設置された全国の街路灯を多数ご紹介いただきました。

ふだん、何気なく歩いている通りには、よく見ると様々な街路灯があります。
デザインはもちろんですが、柱そのものの素材や、塗装によっても見た目にずいぶん違いが出てきます。

素材のなかでは、木材を使った話が印象的でした。

木材は、10年程度で交換の必要があり、本来長く使うことを前提とする街路灯にはあまり使わない素材なのだそうです。しかし、宮崎県日向市では、地域の木材組合の人たちと一緒に考え、10年おきのメンテナンスもしていきましょうということで、支柱周りに地域産業である杉を巻き付けた街路灯を作りました。

また、光をどこに向けるのか、ということも考えます。照明がぼんぼりのように浮かび上がって並んでいる風景を見せるための照明はたくさんありますが、最近は、照明自体はあまり目立たせずに美しい通り自体を照らす発想で作られるデザインのものもあるそうです。

さらに、照明の横にある車止めや低い位置の補導照明、まちの案内板を同じ素材や色で作ることで、一連のまち並みに統一感を持たせることができます。

 

鈴木さんは、街路灯を見るには、3つの時間帯があると言います。まずは昼間。そして、夜間。もう一つは、夕暮れ時です。夕暮れ時の街路灯がいちばん綺麗で、デザインや素材、塗装が一体となって、その良さが浮かび上がるとのこと。

また、「街路灯」という言葉の趣が好きでわざとこの言葉を使うようにしているということで、「ぜひ、三条通でも素敵な街路灯をみなさんで検討してください」とおっしゃっていました。

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後半は、京の三条まちづくり協議会の7町内にお住まいだったりお仕事をされている方と、京都景観エリアマネージャーが一緒になって、前半の講演を受けたワークショップを行いました。

 

発表では、星が見えなくなるような照明は困ること、三条通を西から歩く時と東から歩く時では景色が違うこと、祇園祭のときに鉾の邪魔にならないデザインは可能かどうか、など、テーブルによってさまざまな意見が出ていました。

 

 

そこには、地域のみなさんが、みんなでこつこつと話し合いを重ね、三条がどのような通りであったらいいのかということに向き合っておられる姿がありました。

ますます美しくなる三条通の、今後が楽しみです。

 

▼京の三条まちづくり協議会
http://www.sanjyo-kyo.jp


 

■過去の関連イベントの様子は、こちらからどうぞ!

【三条】世界の都市での道路空間のデザインを知る ~まちカフェ開催レポート~

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【三条】竹の「結界」を作ろう!~京の三条まちづくりカフェ~
https://kyotokeikan.org/2019/12/05/1984/

【三条・近代建築WEEK 2019】スマホで三条 まちなみの変遷発見ラリー
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https://kyotokeikan.org/2019/10/01/1837/

 

文・写真:黒田 素子(京都景観フォーラム 事務局長)