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公開日:2024.09.16

【実践講座2024】第4回〜地域のまちづくりリーダーのお話を聞く〜

2024年9月、京都景観エリアマネジメント講座 実践講座の第4回が行われました。今回は、地域のまちづくりリーダーおふたりのお話を聞き、景観まちづくりの現場を感じることを趣旨としています。

最初は、伏見区の藤城学区で40年にわたって地域活動をされている松井順子さんのお話を伺いました。1986年に新設され、もうすぐ40周年を迎える藤城小学校。松井さんは新しい小学校ができることをきっかけに地域活動に関わられました。小学校を核とした地域づくりや地域に開かれた学校づくりを目指し、活発に活動されているそうです。

また、「藤城まちづくりビジョン」の策定にも取り組まれ、10年後の藤城をどのようなまちにしたいか、そのために何が必要かを話し合ったそう。解決策のひとつとして、高齢者の買い物支援の「乗り合いワゴン」の取り組みも行われているそうです。

印象的だったのは「藤城愛」という言葉です。この小学校の子供たちは、多くの地域の人たちに支えられて育つことでおのずと「愛」が芽生えていくのでしょう。現在、地域によってはPTAの解散もやむを得ない状況にあるようですが、「地域愛」をはぐくむことがその原点なのかもしれません。

次にお話ししてくださったのは、祇園新橋景観づくり協議会の奥田朋子さんです。奥田さんは老舗料理旅館の女将をされ、協議会の代表も務められています。

祇園新橋地区は「伝統的建造物群保存地区」に選定されており、歴史的な建物が守られています。しかし、人口が減少し、新しい地権者が増えて業態が多様化する中で、将来にわたって風情と文化を受け継ぎ育んでいくための組織が必要となってきました。2017年に祇園新橋景観づくり協議会が設立され、「祇園新橋景観づくり計画書」の策定をはじめ、様々な活動に取り組んでこられたそうです。

のれんや看板などの屋外広告物は、市の基準より厳しく祇園新橋にふさわしいものを話し合われています。また、ロケーション撮影のマナー改善のため、ルール作りや撮影事業者会と連携したマナー対策に取り組まれています。この地域の古い写真を見ると、今よりももっと雑多な景観だったそう。奥田さんは「100年前のままではなく、美しく変化していく」ということをおっしゃっていました。時代に合わせ美しく進化していく祇園新橋に、今後も注目していきたいです。

講座終了後は10月のグループ課題の発表に向けて班ごとのミーティングが行われました。少しずつ内容が肉付けされているようで、発表会への期待が高まります。

文:笠原 啓史(京都景観エリアマネージャー)


京都景観エリアマネジメント講座の実践講座は、地域の景観まちづくりの現場の体験やグループワーク、個人レポートの作成などを通じて「自分がどのように景観まちづくりに貢献していけるか?」を考えるプログラムです。

基礎講座・実践講座の両方を修了すると「京都景観エリアマネージャー(エリマネ)」として認定。京都景観フォーラムの景観まちづくり活動に参加することができます。

 

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