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公開日:2025.10.18

【基礎講座2025】第1回 基礎理論1~景観を学ぼう!〜

2025年度景観エリアマネジメント基礎講座の第1回は6月14日(土)、京都市景観・まちづくりセンターのワークショップルームで開催された。今回は、まちの魅力づくり研究室理事・東京大学名誉教授の堀繁先生の講義を受けた。景観は主観であって人の好みによって良し悪しは分かれるというのは本当なのか。景観の基礎理論に加え「景観とは何か、なぜ景観は重要か」「良い景観とは」「景観を良くするにはどうすればよいのか」など、わかっているようでわからないことが、3部構成で論理的かつ丁寧に解き明かされた。

講義1.景観とは何か、なぜ景観は重要か

講義は、受講生が着席し、講師が起立して行われた。

この講師が起立するというのには、景観を考えるうえでの重要な意味が込められている。
講義が始まると、真剣な表情で聴き入ってメモを取る受講者がいた。
講師が問いかけを行い、受講者に少し考える時間が与えられ、「分かった人は手を挙げて」と講師から言われる。

私たちはつい、間違ったら恥ずかしいと思ってしまうが、「大丈夫。当てないので(笑)」と声を添えられると、気兼ねなく挙手できる。

そして、論理的に説明していく。
受講者は、挙手によって自らの意見を発信する。
そうして気がついたら、受講生は能動的に講義に参加しているのである。

講義2.良い景観とはどういうことか

街並み景観とは何か。「”街並み”がわかっていても、”景観”はわからない。例えば、”牛乳”がわかっても、”牛”はわからないでしょ?」と説明が始まる。

複数の事例が示され、それぞれ良いと思う景観に手を挙げるように、受講者は促される。

そうして、手を挙げた人数を数えて、なぜ、みんなそちらに手を挙げたのかを考えさせる。

私たちは、2つの写真を示された時、同じ写真を良い景観だと選ぶ傾向がある。人それぞれで判断は分かれない。このことを受講者に認識させる。

良い景観とは、趣味・趣向とは関係ないことを数値で実感するのである。

「(受講者が)わからなかったら、私(先生)の責任。教え方が悪いのだ。」と言いながら、講師は受講者の理解度に合わせて講義を進める。

質問をして手を挙げさせることで、講義の中に緩急のリズムが生まれ、受講者を引き込む。

講師と受講者が双方向につながっていました。

講義3.景観を良くするにはどうしたらいいか

景観が悪いと、この町が悪いと認識される。みんな、自分たちの街をよくするための取り組みをしている。と前置きをして、人は何に注視して評価しているのかについての講義が始まる。

講義では、難しいことは言わない。平易な言葉が、視界を開けていく感じが、とても気持ちいい。

堀先生の全身を使って景観について伝えようとする熱が、受講生に伝わった講義でした。

 

文:村上裕美子(京都景観エリアマネージャー)


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