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先斗町まち歩き&ワークショップ ~京都市景観市民会議をレポートします~

2020年12月、京都市景観政策課の主催で「京都市景観市民会議(景観市民会議)」が開催されました。
この会議は今年が11回めの開催で、数年前から、京都景観フォーラムが企画提案をして運営を受託しています。

今回は、京都景観エリアマネージャー(エリマネ)畝 博之さんによる、会議の開催レポートをご紹介します。

▼以前インタビューにもご登場いただいた、第8期エリマネの畝さん


今年の景観市民会議は、コロナの影響もあり
第1段階 フィールドワークと意見交換ワークショップ
第2段階 オンライン上での本会議
という2段階の開催で行われました。

対象となった地域は、桂坂、修徳、先斗町、三条の4つ。いずれも「京都市地域景観づくり協議会制度」の認定を受けている地域です。
筆者は、以前より興味があった先斗町のコースに申し込んで参加しました。

第1回の集まりは、2020年12月12日。元立誠小学校の会議室で「先斗町まちづくり協議会」事務局長 神戸 啓さんから、景観まちづくりの取り組みについて講義いただきました。

以前から先斗町のまち歩きには参加していたので、取り組みの概要は知っていましたが、しっかりと講義を聞いて驚くことばかりでした。
まちの歴史の調査、多くのドキュメント発行等々、素晴らしい。

そのあとは神戸さんに連れられて、先斗町のまち歩き
きれいに変化したまちなみが生まれたいきさつなどを見て回りました。

「へぇー」と言いながら

背広にねじり鉢巻き姿の神戸事務局長。熱い思いを感じました。

無造作に並んでいた看板が無くなり、舗装がデザインに満ちた石敷になり、電柱が無くなり、電線が無くなりつつある。
「どうやってできたのか?」考えながら、話しながら、聞きながら、のまち歩きでした。
知らなかったこと、初めて聞いたお話も、沢山ありました。

先斗町のまちなみの変化

まち歩きの後は、参加者によるワークショップ。景観フォーラムのメンバーのスムーズな進行に従って意見交換をしました。
フィールドワークで感じたこと、このまちが目指していること、ビジョンを共有するために必要なこと、必要な支援は?等々・・・
熱心な意見交換が続き、大幅に時間オーバーしてしまいました。

学生さん、一級建築士、まちの活性化に取り組んでこられてきた方、まちづくり機関の方、そして筆者は、普通のサラリーマン。


皆さんたどってきた道は違いますが、想いは一緒ですね。
そして、まちづくりは、誰でも参加が可能なんですね。

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まちあるきワークショップからひと月ほどたった1月30日、会議の第2段階として、オンライン上で意見交換会が開催されました。

4つのワークショップごとに、それぞれがプレゼン資料を作って発表し、意見交換会を行いました。
コーディネーターの上手で丁寧な進行のおかげで、質疑応答や意見交換も弾み、オンラインにも関わらず楽しい時間となりました。
ここでも知らなかったことがいっぱいあり、勉強になりました。

各発表を受け、まとめた内容は、京都市景観政策課に「提言」として提出しました。行政の方々もしっかりと聞いておられました。

最後は、大阪芸術大学教授 門内 輝行先生のお話でした。さすが、的確にまとめられていらっしゃいます。
京都を俯瞰する視野、世界の他都市の取り組みなど・・・
ワンステップ上に、上がったような気持ちになりました。


それぞれのまちづくり協議会の方々のご意見からは、日頃のご苦労が伝わってきました。
行政、景観まちづくりを行っている方々、市民の方々、本音で語れば、実はみな同じ方向にいることに
気が付いたのではないか。
そう思ったのは、私だけではなかったように思います。

観光客もまちづくりの、重要な「キャスト」かもしれません。

また、今回の市民会議は全体構成がしっかりとしていて、筋書きがとても分かりやすかったです。
なるほどこういう風に進めればいいのか。
また一つ利口になったように感じました。

京都景観フォーラムのメンバーの皆さんは、いろんなところで活躍されています。

同じ場所で同じ講座を受けて、同じ体験を積んできた仲間は立場の違いがあるものの、やはり思いは同じですね。

そんなことを感じた、今回の取組みでした。

 

文・写真: 畝 博之(第8期 京都景観エリアマネージャー)


 

▼今回レポートを書いてくれた畝さんが登場。「景観を学ぶおもしろさ」を語っていただきました!

京都景観エリアマネジメント講座、7月開講に向け申込受付中です!  ~受講生インタビュー~

京都景観フォーラムが主催する「京都景観エリアマネジメント講座」(2021年7月開講)は、来年度の開催に向け現在準備中です!

2021年4月上旬に募集スタート予定ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

■京都景観エリアマネジメント講座について
https://kyotokeikan.org/activity/course

【三条】みんなで「街路灯」を考える〜京の三条まちづくりカフェ〜

京都景観フォーラムは「京の三条まちづくり協議会」の活動支援団体となり、様々なお手伝いをしています。

11月7日に開催された、第56回 京の三条まちづくりカフェは、「まちの灯り・街路灯が織りなす夜間景観」というタイトルで、講演とワークショップが行われました。
コロナ禍のなか、人数を限り、参加者には消毒やマスクの徹底をお願いしたうえでの実施となりました。

前半の講師は、京都景観エリアマネージャーのひとりで、YSポール株式会社の代表取締役、鈴木幸男さん。

YSポールは、信号機や高速道路の道路照明に加え、地域の特色をイメージした街路灯も数多く作っておられる、照明ポールの総合メーカーです。

今回の講演では、銀座の大通りの柱ごと光る街路灯、また、北海道の二風谷コタンのアイヌの模様を入れた街路灯、東京の永代橋では橋のデザインに合わせて数十年前に作られた街路灯をそのまま再現したものなど、様々な風景のなかに設置された全国の街路灯を多数ご紹介いただきました。

ふだん、何気なく歩いている通りには、よく見ると様々な街路灯があります。
デザインはもちろんですが、柱そのものの素材や、塗装によっても見た目にずいぶん違いが出てきます。

素材のなかでは、木材を使った話が印象的でした。

木材は、10年程度で交換の必要があり、本来長く使うことを前提とする街路灯にはあまり使わない素材なのだそうです。しかし、宮崎県日向市では、地域の木材組合の人たちと一緒に考え、10年おきのメンテナンスもしていきましょうということで、支柱周りに地域産業である杉を巻き付けた街路灯を作りました。

また、光をどこに向けるのか、ということも考えます。照明がぼんぼりのように浮かび上がって並んでいる風景を見せるための照明はたくさんありますが、最近は、照明自体はあまり目立たせずに美しい通り自体を照らす発想で作られるデザインのものもあるそうです。

さらに、照明の横にある車止めや低い位置の補導照明、まちの案内板を同じ素材や色で作ることで、一連のまち並みに統一感を持たせることができます。

 

鈴木さんは、街路灯を見るには、3つの時間帯があると言います。まずは昼間。そして、夜間。もう一つは、夕暮れ時です。夕暮れ時の街路灯がいちばん綺麗で、デザインや素材、塗装が一体となって、その良さが浮かび上がるとのこと。

また、「街路灯」という言葉の趣が好きでわざとこの言葉を使うようにしているということで、「ぜひ、三条通でも素敵な街路灯をみなさんで検討してください」とおっしゃっていました。

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後半は、京の三条まちづくり協議会の7町内にお住まいだったりお仕事をされている方と、京都景観エリアマネージャーが一緒になって、前半の講演を受けたワークショップを行いました。

 

発表では、星が見えなくなるような照明は困ること、三条通を西から歩く時と東から歩く時では景色が違うこと、祇園祭のときに鉾の邪魔にならないデザインは可能かどうか、など、テーブルによってさまざまな意見が出ていました。

 

 

そこには、地域のみなさんが、みんなでこつこつと話し合いを重ね、三条がどのような通りであったらいいのかということに向き合っておられる姿がありました。

ますます美しくなる三条通の、今後が楽しみです。

 

▼京の三条まちづくり協議会
http://www.sanjyo-kyo.jp


 

■過去の関連イベントの様子は、こちらからどうぞ!

【三条】世界の都市での道路空間のデザインを知る ~まちカフェ開催レポート~

【三条】世界の都市での道路空間のデザインを知る ~まちカフェ開催レポート~

【三条】竹の「結界」を作ろう!~京の三条まちづくりカフェ~
https://kyotokeikan.org/2019/12/05/1984/

【三条・近代建築WEEK 2019】スマホで三条 まちなみの変遷発見ラリー
https://kyotokeikan.org/2019/10/04/1888/

【三条・近代建築WEEK 2019】シンポジウムレポート《前編》~まち歩き・建築ガイドツアーの企画と運営~
https://kyotokeikan.org/2019/10/01/1837/

 

文・写真:黒田 素子(京都景観フォーラム 事務局長)

 

【三条】世界の都市での道路空間のデザインを知る ~まちカフェ開催レポート~

地域の親交を深めながら、より良い三条通界隈の町並みをつくろうと活動されている「京の三条まちづくり協議会」
節分もちつき大会や、お神輿祭りなど、毎年行われる季節行事には、地域の内外からたくさんの方々が参加されています。

そんなイベントのひとつとして年に数回開催されているのが、京都文化博物館を舞台とした「まちカフェ」。毎回さまざまなテーマを設け、その分野の専門家の方をお招きして、お話を聴きます。
申し込み不要、無料でどなたでも参加できるこのイベント。2019年には、“三条通の7つの町の由緒”、“明治期における三条通”などがテーマにされてきました。

そして2020年1月、今年初の開催となるまちカフェのタイトルは、「世界の歴史都市にみる道路空間再編とデザイン」です。
講師をつとめるのは、京都大学工学研究科 准教授の山口 敬太先生
近年、世界各地で急速に進んでいる“歩行者のための道路空間の再編”について、パリやロンドン、ウィーンなど、世界中の事例をご紹介いただきました。

そのイベントの様子について、お伝えします。

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会場となるのは三条通のシンボル、京都文化博物館。

このの入口から入ってすぐ左の階段を上がった、別館2階会議室が会場です。

当日は受付開始とともに多くの人が訪れ、開始時刻には会場は満員に!
急遽、席が増設されるほどの盛況ぶりでした。

20代から70代まで、幅広い年齢層の方々が訪れました。

今回、山口先生が紹介してくださった道路空間利用の事例は、主にヨーロッパが対象となります。

まずは背景にある、欧州の宗教的、そして都市計画的な「広場」の役割の移り変わりについて、説明がありました。

このまちカフェのために先生が用意してくださったスライドの枚数は、なんと200枚以上!
各国の取り組みの例や、時代による移り変わりを写真で見比べることで、とてもわかりやすく知ることができました。

鏡のように空を写しこむ水面が広がる広場や、港に面し、海を眺めることができる広場。ダンスやパフォーマンスの舞台としても用いられる、広大な広場。
さまざまな国の憩いの空間としての“広場”の事例を見ていると、まるでヨーロッパ中を旅しているかのような、ワクワクとした気分になれました。

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「道路空間を、人と車でどのように共有していくか?」
この問いについて考えるため、ヨーロッパではさまざまな社会実験が行われています。

こちらは、ウィーンの事例。
道路が歩行者のための空間となり、人びとが集うことができるベンチが置かれています。

フランスのパリでは、エリアごとに時期や時間を細かく分けて、車両の交通規制が行われているそうです。
欧州では、車が排出する二酸化窒素による大気汚染が大きな社会問題となり、その対応が急務とされています。

「車両規制がかかると、その他のエリアが渋滞してクレームが出るのでは?」とも考えてしまいますが、
「渋滞してもいい。むしろ、渋滞した方が、車が減る傾向にあっていい。」と、行政サイドが率先して、交通車両の削減に取り組んでいるそうなのです。
これにはびっくり!

これからの社会のことを考えると、このように思い切って発想をシフトしていかなくてはいけないのだろうな、と考えさせられました。

先生によると、このような事例を通して感じるのは、人々のあいだに“空間や場所をシェアする楽しさ”が広がっていること、だそうです。

公共空間が人々の共有の場や、出会いの場としてのはたらきを持ち始めており、今後は、このような動きが日本でもブームになっていくだろう、とお話しされていました。

山口先生は現在、京都の久御山町で、場所づくりのプロジェクトを進行されているそうです。
このような世界各地の事例を活かし、共有できる場所づくりに取り組んでいらっしゃるとのこと。新しい“広場”の誕生が楽しみですね。

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時間いっぱいまでお話いただいた、大充実のまちカフェ。
最後に、京の三条まちづくり協議会会長・京都景観フォーラム副理事長の森本 浩行からあいさつがあり、閉会となりました。

まちカフェは年に数回、定期開催しています。
京の三条まちづくり協議会のサイトから最新のイベント情報もご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

▼京の三条まちづくり協議会
http://www.sanjyo-kyo.jp

■過去に三条通で開催されたイベントの様子は、こちらからどうぞ!

【三条】竹の「結界」を作ろう!~京の三条まちづくりカフェ~
https://kyotokeikan.org/2019/12/05/1984/

【三条・近代建築WEEK 2019】スマホで三条 まちなみの変遷発見ラリー
https://kyotokeikan.org/2019/10/04/1888/

【三条・近代建築WEEK 2019】シンポジウムレポート《前編》~まち歩き・建築ガイドツアーの企画と運営~
https://kyotokeikan.org/2019/10/01/1837/

 

文・写真:土谷 真咲(京都景観フォーラム 広報チーム)

京都の夜景を考えよう! ~京都市景観市民会議 開催レポート~

「京都の“夜の景色”」といえば、皆さんどんな情景を思い浮かべますか?

鴨川に面して建ち並ぶ、お店の灯りでしょうか。
飲食店街の賑やかな照明、はたまた、桜や紅葉のライトアップ?
昼間は大賑わいの観光名所でも、日が暮れたとたんに真っ暗になってしまう…これも、京都ではしばしば見られる光景な気がします。

そんな京都の夜の景色、「夜間景観」をより良いものにするため、いま、さまざまな取り組みが始まっています。

たとえば、岡崎の大鳥居や三条大橋などのモニュメントのライトアップ、
また、鞍馬口通では、一般的な白色の街灯にカバーをかけ、ランプの灯りのような暖かみのある色に変えてみるなど、市内各地で社会実験が行われています。

この夜間景観に対する取り組みの一環として、今月初旬に開催されたのが、市民の方の意見を聞くための「京都市景観市民会議」です。
京都景観フォーラムのメンバーも参加したこの景観市民会議で、どんなことが行われたのか?
今回お伝えしていきたいと思います。

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景観市民会議には、京都市景観デザイン会議の委員のほか、事前募集に申し込んで選ばれた13名が「市民公募委員」として参加しました。
学生さんから子育て世代、ご年配の方まで、幅広い年代の方々が集まっており、傍聴者として参加された方も多く見られました。

まず初めに、話題提供として、中村 美寿々さん(株式会社ライティングプランナーズアソシエイツ)、大島 祥子さん(一級建築士事務所スーク創生事務所代表)、門内 輝行教授(大阪芸術大学教授、京都大学名誉教授)の3名から、世界の夜景の事例や、夜間景観のデザインに関するお話がありました。

夜の景観は、昼間とは違い、見せたいものだけにスポットを当てて目立たせることができるのだそう。
つまり、夜景をどう見せるかの「演出」が重要になってくるのですね。

このように、参加者の皆さんが夜間景観を考えるにあたってのポイントを知ったところで、4つのグループに分かれて意見を交わしました。
意見交換のテーマは、「”日常”の夜間景観のあり方」と「”非日常”の夜間景観のあり方」です。

また今回、新しい試みとして「グラフィック・ファシリテーション」が意見交換の場に取り入れられました。
以前、こちらの記事で紹介したのを覚えていらっしゃる方もいるでしょうか?

▼【エリマネネット】スキルアップ研修会でグラフィック・ファシリテーションを学ぶ
https://kyotokeikan.org/2019/07/22/1725/


グラフィック・ファシリテーションは、参加者から出た意見をグラフィッカーがイラストや文章で表現し、1枚の紙の上にまとめていく手法です。

話していることを背中で聞きながら、同時進行で描き上げていく様子は、さすがプロフェッショナル。

目の当たりにするとすごいです!

こちらは、話題提供のお話から起こされたグラフィックです。

文字だけで残すよりもわかりやすく、イメージがより具体的に湧きますよね。
何より、意見がイラストでどんどんまとめられていく様子が、見ていて楽しい!

意見交換の場も、自然と話しやすい雰囲気になっていきました。

今回は4つのグループそれぞれに、京都景観フォーラムの京都景観エリアマネージャー(エリマネ)がファシリテーターとして参加。
皆さんの意見をまとめながら、進行役をつとめました。

1時間半にわたって各グループがじっくりと話し合ったあと、最後に、それぞれのグループで出た意見を発表し、共有しました。

ここでも、グラフィック・ファシリテーションのイラストが威力を発揮。

各グループでどのような議論が行われたのかがわかりやすく、皆さん、新しい視点からの気づきを得たようでした。

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会議終了後、エリマネとしてファシリテーターを務めた青山さんに、意見交換の感想を聞いてみました!

京都景観エリアマネージャー 青山 優子さん

- ファシリテーターをしてみて、どんなことを感じましたか?

今回の討論では、さまざまな世代の方の意見を聞くことができたのが印象的でした。
話してみると、世代や環境の差によって、夜の景観に対する印象にギャップがあることもわかりました。
たとえば、明るい街の中で育ってきた若い世代の方は、明かりがなく暗い状態を「非日常」と感じますが、一方で上の世代の方は、その暗い状態こそが「日常」で、まばゆいばかりに照明がついたまちを「非日常」と感じたりしています。

しかし、じっくり話していくうちに、皆さんが大切にしたいと考えているものは、じつは一緒なのではないか?という結論に辿りつきました。
「どの世代にも共通しうる、街への“想い”がある」と気づけたこと。そして、そこに辿りつくまで皆さんでじっくり議論できたことが、とても良かったなと感じています。


- 青山さんが「京都景観マネジメント講座」を受講しようと思ったきっかけは?

私は現在、南丹市の美山で暮らしており、以前から建物の勉強をしていました。
しかし、ひとつひとつ個別の建物の勉強をするだけではなく、“まちなみ”という観点で学んでみたいと思うようになりました。
そんなとき、知人から進められたことがきっかけで、京都景観フォーラムの「京都景観エリアマネジメント講座」を受けてみようと決めたんです。
基礎講座を受けてみて興味が深まり、実践講座へ進んで、エリマネの登録を受けました。

同じく受講していたメンバーとは受講後も交流が続いていて、去年の6月には、美山での見学会も行いました。
またこうして、皆さんで集まれる機会があればいいなと思っています。


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エリマネのメンバーの中には、研修会で行ったグラフィック・ファシリテーションの手法を、ご自身のお仕事で活用されている方もいらっしゃるとか。

今回のような景観を考える場や、それぞれが関わっているコミュニティの中で、活躍の場が広がっていっているのが嬉しいです!

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■京都景観エリアマネージャー(エリマネ)はこんな活動をしています

▼【エリマネネット】研修会~城下町・彦根で過去と未来を訪ねる~

【エリマネネット】研修会~城下町・彦根で過去と未来を訪ねる~

▼京都景観エリアマネジメント講座って? ~インタビュー:京都のまちを知り、新しい世界を開く(1)~

京都景観エリアマネジメント講座って? ~インタビュー:京都のまちを知り、新しい世界を開く(1)~

▼京都景観エリアマネジメント講座のご紹介(パンフレットのPDFもこちらから)

京都景観エリアマネジメント講座

 

文・写真: 土谷 真咲(京都景観フォーラム 広報チーム)

【三条】竹の「結界」を作ろう!~京の三条まちづくりカフェ~

京都景観フォーラムは「京の三条まちづくり協議会」の活動支援団体となり、様々なお手伝いをしています。
今回紹介するイベントは、11月10日に開かれた「第49回 京の三条まちづくりカフェ」
講師をつとめたのは、京都景観エリアマネージャー(エリマネ)で、造園のお仕事をされている梅野 星歩さんです。

今回のまちカフェでは、梅野さんの講義を聞いたあと、参加者皆さんで竹を使った「結界」づくりをしました。

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京都のまちなか、特に三条通には、カラフルな三角コーンは似合いません。

日本の伝統的な庭には、通っていい路や入ってはいけない所などの決まりごとがあり、それらをさりげなく示す仕掛けがあります。
そのひとつが「結界」です。

「結界」という言葉はもともと仏教用語で、聖なる場所と、俗なる場所とを分ける境目を意味します。
結界というと“陰陽師”のようなイメージがある方も多いかもしれませんが、空間を「内」と「外」に分けるものとして、身近なところにも存在しています。
たとえば、お店の「のれん」。これは、往来と店との間の仕切りの役割を果たしています。
ほかにも、ふすま、障子、ついたて、縁側なども、結界の一種と考えることができます。


梅野さんの講義では、「結界」とは相違うものの堺にあり、それらを結ぶものだとお話がありました。

日本人は古来から、2つの両極を意識したものの見方をしています。「麒麟」も「鳳凰」も、雄と雌を表している2つの漢字から成り立っています。
陰と陽、それらは極端にある物ではなく、両方を知って享受し合うことだと教えていただきました。

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さて、いよいよ結界づくりのスタートです!
専門家に指導を受けながら、本物の竹を使って、参加者ご自身で結界を制作していきます。

まずは竹の扱い方、切り方などを習い、パーツを組み立てるための紐結びの方法を教えてもらいました。

「とっくり結び」、「男結び」という結び方で、くるくると巻いてシュッと引っ張ると簡単には緩まないそうです。

皆さん、先人の知恵に感心しつつ、なかなか複雑で覚えるのに四苦八苦。
果たして、いつまで覚えていられるでしょうか?!

最後に、でき上がった結界といっしょに記念撮影。

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できあがった結界は、三条通界隈でも早速、何カ所に置いてもらっています。

こちらは、イノダコーヒ三条支店さんの前に置かれたところ。

こちらは、長谷川松寿堂さんの結界です。


ぜひ、お使いの三角コーンと置きかえて、三条通の街並みにふさわしい姿にしていただけたらと思います。


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▼まちカフェをはじめ、さまざまなイベントや活動をしている「京の三条まちづくり協議会」
http://www.sanjyo-kyo.jp/

▼講師をつとめた梅野さんは、こちらでもエリマネとして地域活動をサポートされています!
庭づくりで地域の交流を深めよう! ~コミュニティガーデン ”ohana”~
https://kyotokeikan.org/2019/08/27/1785/


●京都景観フォーラムの地域サポート活動の紹介はこちら
https://kyotokeikan.org/activity/support

京都景観エリアマネージャーへの第一歩はこちら【現在開講中!単回受講もOKです】
●京都景観エリアマネジメント講座
https://kyotokeikan.org/activity/course


文:内藤 郁子(京都景観フォーラム理事長)

【三条・近代建築WEEK 2019】スマホで三条 まちなみの変遷発見ラリー

このところ連続でお伝えしている、三条通の近代建築WEEKですが、展示やシンポジウムの他、実際にまちを歩きながらその魅力を再発見しようという企画も実施しています。

今回は、スマホアプリ「KYOTOメモリーグラフ」を利用したまち巡りラリーのご紹介です。

KYOTOメモリーグラフ」は、立命館大学や人文学オープンデータ共同利用センターなどの共同研究により開発された、京都の昔の写真と今の風景を重ねて楽しむアプリです。

基本的な機能は、カメラのファインダー上に過去の写真を半透明で重ね、現在の風景と構図を合わせてシャッターを押すというものです。スマートフォンの登場によって、カメラのファインダーに別の写真を重ねることが可能になりました。

例えば現在のみずほ銀行(三条烏丸南西角)の元の建物は、はじめ、入り口から右側の半分だけが建てられ、その後、左半分もシンメトリーに建てられたとのことで、その両方の写真と現在の様子を、アプリを通してをそれぞれ見比べることもできます。

 

WEEK期間は、先週の9/2829と、今週末の10/56、京王ビル(三条柳馬場北西角)前に特設テントを設けて案内のほか、28日と5日はワークショップツアーも実施しています。

また、現状アンドロイド対応のみのため、iPhone ユーザーには、上記4 日間に限り、アンドロイド端末の貸出もしています。

実際に体験した皆さんからは、これを使ってしばらく遊べそう、とか、もっと写真を増やして欲しい!といった声をいただきました。

iPhoneでも使えるように、現在、開発まっただ中とのこと。

みなさんも、秋風のきもちいい三条通にお越しいただき、ぜひアプリを体験してみてください!

 

参加にはアプリのインストールが必要です。GooglePlay より「KYOTOメモリーグラフ」を検索、ダウンロードしてください。(無料・通信費は各自負担)

建物所有者、店舗、周辺の方々、通行者のご迷惑とならないようご配慮ください。また、撮影した写真のSNS 等へのアップはご遠慮ください。

 

▼イベント全体の情報がわかるパンフレットはこちら
近代建築WEEK2019 イベントパンフレット(PDFファイル)

 

▼KYOTOメモリーグラフは、京都市電の写真を中心として開発されてきました。昨年の2月に開催された、市電の写真展のレポートはこちら

【三条・近代建築WEEK 2019】シンポジウムレポート《後編》~トークセッション「建築・まち・ひとを繋ぐ」~

前編に続き、三条通で開催中の「近代建築WEEK 2019」(~10月6日(日))シンポジウムのレポート。
後編の今回ではいよいよ、メインイベントのトークセッションの様子をお伝えしていきたいと思います。


前編をご覧いただいていない方は、こちらからどうぞ!
▼【三条・近代建築WEEK 2019】シンポジウムレポート《前編》
~まち歩き・建築ガイドツアーの企画と運営~

https://kyotokeikan.org/2019/10/01/1837/

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トークセッションでは、前半にお話いただいた和田さん(一般社団法人東京建築アクセスポイント 代表理事)、以倉さん(まいまい京都 代表)に加え、京都府京都文化博物館 学芸員の村野 正景さん京の三条まちづくり協議会 事務局長の西村 祐一さんがパネリストとして登壇されました。
コーディネーターをつとめるのは、京都工芸繊維大学 助教の笠原 一人さんです。

今年の近代建築WEEKでは、京の三条まちづくり協議会と京都文化博物館が連携して展示を作る試みが行われました。

京都文化博物館の2階総合展示室(京の至宝と文化)にて開催中の「辰野金吾没後100年 文博界隈の近代建築と地域事業」展。このなかの三条通の建築物や界隈のまちづくりを紹介する展示は、京の三条まちづくり協議会の協力があり実現したのです。

(※特別に撮影許可をいただいています)

(京の三条まちづくり協議会 事務局長 西村さん)

(京都文化博物館 学芸員 村野さん)

村野さんによると、海外では、まちに訪れた観光客が最初に行く場所は、その地の博物館であることが多いそうです。
博物館がまちの文化と歴史を発信する拠点として機能し、そのまちの背景を一度に知ることができる場所になっているのだとか。

今回、「博物館とまちづくり団体のコラボレーション」という試みに取り組んだ、村野さんと西村さん。
「博物館がまちの情報収集の拠点となり、展示からまちにつなげていく仕組み作りをしていきたい。」と、村野さんは言います。
今回のコラボレーション展示はまさに、その第一歩と言えるかもしれませんね。


(まいまい京都 代表 以倉さん/一般社団法人東京建築アクセスポイント 代表理事 和田さん)

和田さん、以倉さんのようなガイドツアーを企画されている側からは、「ツアーでまちを訪れることは、そのまちの方々にとって迷惑にならないだろうか?」という質問が。

ガイドなどで建築物やまちの価値を再発見し、地域の方々も知らなかった知識を人々に伝えることができるのは、とても大きな魅力でしょう。
しかし一方で、「まちが消費されてしまう」という恐れがあることも知っておかなくてはならない、という意見も挙がりました。訪れる人が多くなることで観光問題が起きたり、まちの本意ではない情報やイメージが伝わってしまうこともあるかもしれません。

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今回の博物館での展示では、京の三条まちづくり協議会が建物の所有者の方との交渉の窓口になり、博物館と地域の方々をつないでくださったそうです。

「先の未来、景観まちづくりに取り組む団体が、いろいろな施設や団体をつなぐ地域の“つなぎめ”となるかもしれない。」そんな可能性も語られていました。

2時間があっという間に感じるくらい、内容が詰まった意見交換のひととき。

博物館のような公的な施設、まち歩きを楽しみに訪れるゲストの方々、そして地域のまちづくりをしている方々。それぞれ違った目線からのお話を聞け、勉強になりました。

今回の博物館・まちづくり協議会が連携した取り組みもとても面白いものでしたし、今後もぜひ新しい”つながり”のかたちを見せていただけたらと感じています。

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■京都文化博物館の展示は10月27日(日)まで開催中です!
三条通の近代建築について、また、三条のまちづくり活動についての展示もぜひご覧ください。
辰野金吾没後100年 文博界隈の近代建築と地域事業(京都文化博物館内サイト)
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_shibun_post/bunpakukaiwai2019/

↓来場者参加型の企画、三条通の建物の人気投票もあります!一番人気は果たしてどの建物でしょうか?

(※特別に撮影許可をいただいています)

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■京の三条まちづくり協議会では、毎回テーマに沿ったお話が聞ける定期開催の「まちカフェ」をはじめ、さまざまな活動・イベントを行われています。
京の三条まちづくり協議会 webサイト
http://www.sanjyo-kyo.jp/

▼京都景観フォーラムの地域サポート活動の紹介はこちら
https://kyotokeikan.org/activity/support


文・写真:土谷 真咲(京都景観フォーラム広報チーム)

《9/29(日)開催!》シンポジウム「建築・まち・ひとを繋ぐ」で近代洋風建築の魅力に触れてみませんか?

夏が過ぎ、涼やかな秋の風が吹くようになりましたね。

秋といえば、「芸術の秋」。今年の秋は、京都・三条通の近代洋風建築についてじっくり知ってみるのはいかがでしょうか?

レンガ造りのレトロな建物が並ぶ、三条通。ここ三条通には、明治から昭和初期に建てられた「近代洋風建築」が集積しています。

そして来週9月28日(土)から10月6日(日)かけて、これらの魅力的な近代建築をじっくり楽しめる「近代建築WEEK 2019」が開催されます!

この近代建築WEEK 2019では、三条通近辺を舞台に、まち歩きツアーや展示などさまざまなイベントが行われます。

本日紹介するのは、9月29日(日)14:00から、京都文化博物館別館で開催されるシンポジウム「建築・まち・ひとを繋ぐ」。
建築ツアーやまちあるきをテーマに、今後の三条通の近代建築の可能性を考えます。

登壇するパネリストは、東京を拠点とし、外国人の方などに近現代建築のツアーを実施しておられる「東京建築アクセスポイント」代表・和田 菜穂子さんと、ブラタモリでもおなじみ、京都と東京で年間に800本ものまちあるきツアーを開催しておられる「まいまい京都(東京)」代表・以倉 敬之さん。
おふたりのトークを交え、建築ツアーの魅力について探ります。

また、後半では、京都工芸繊維大学・笠原 一人さんによるコーディネートのもと、京都文化博物館の村野 正景さん、京の三条まちづくり協議会 事務局長の西村 祐一さんも加わり、まちづくりなどについての座談会を開催いたします。

(昨年の開催の様子)

なお、会場の京都文化博物館では、展覧会「辰野金吾没後100年 文博界隈の近代建築と地域事業」も開催しています。
シンポジウムと併せてご覧いただければ、近代洋風建築の世界に浸れること間違いなし。
1年に1度の貴重なイベントに、ぜひ参加してみてくださいね!

★シンポジウムの参加は事前申し込み制となっておりますので、下記のフォームからお申し込みください。

~~シンポジウムお申込はこちら~~

下記の申込みフォームから、参加者1名毎にお申込み下さい。
▼参加お申込みフォーム
https://www.bunpaku.or.jp/class/other/

受付は先着順となります。
参加確認のEメールをお送りしますので、当日ご持参ください。

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このほかにも、近代建築WEEK 2019では期間中、さまざまなイベントが開催されています。
▼こちらのパンフレットからチェックしてみてくださいね!
近代建築WEEK2019 イベントパンフレット(PDFファイル)

 

 

庭づくりで地域の交流を深めよう! ~コミュニティガーデン ”ohana”~

暑かったお盆の時期が過ぎ、ここ数日は少し涼しい日が続いていますね。
もうすぐ9月、秋の気配もそろそろでしょうか?

今回は、綺麗な“お花”を育てることで、地域の活性化に取り組んでいる方々を紹介したいと思います。

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向かったのは、近鉄十条駅から10分ほどの「上鳥羽北部いきいき市民活動センター」。
こちらでは、庭づくりを通して交流を深める「コミュニティガーデン ”ohana(オハナ)”」という活動が行われています。


センターに隣接する、三角形のお庭。
とても広いわけではありませんが、奥にはお地蔵さんがあり、ちょっとひと息つくのにちょうどいい可愛らしいお庭です。

このお庭をみんなで手入れし、より居心地の良い場所にしようと、地域の有志の方々が集まって庭づくりを進めてきました。

 (写真:上鳥羽北部いきいき市民活動センターfacebookより)

ちなみに“ohana(オハナ)”とは、ハワイ語の「家族」。「お互いに支え合い、世代を超えて続く集合体」を表す言葉なんですよ。

(写真:上鳥羽北部いきいき市民活動センターfacebookより)

 

「コミュニティガーデン”ohana”」のデザイン・監修を手がけているのは、ランドスケープデザインの専門家である神戸国際大学教授の白砂 伸夫 先生 

ハウステンボス ローズガーデンや六甲アイランドCITYローズガーデンなど、様々な場所でデザインを手がけており、日本造園学会賞、世界バラ会連合LITERARY AWARDなどを受賞されている、ローズガーデンづくりの第一人者です。

こちら、白砂先生が描かれた”ohana”のデザイン画。とても素敵です。

(イラスト:白砂 伸夫先生、コミュニティガーデン”ohana”資料より)

 

先週24日(土)に行われた”ohana”のイベントでは、その白砂先生にご参加いただき、「ローズガーデンを楽しむ」というテーマでお話いただきました。

集まったのは、庭づくりやお花の育て方に関心がある地域の皆さん。

写真を見ながら、白砂先生がこれまでに手がけたローズガーデンの作品紹介や、庭のデザインをするときのポイントなどを聞いていきます。

ヨーロッパのイメージが強い、バラの花。
しかし、白砂先生のお話によると、”バラのルーツの半分は東洋にある”そうなんです。

現存するバラの品種は、まさに西洋と東洋の出会いによってできたもの。
系譜をたどっていった先には、日本のノイバラやハマナスなどの品種も登場するそうですよ。

“音楽としてのローズガーデン”・・・
「バラだけを植えていたら、ただの“バラ畑”にしかならない。」と、白砂先生は言います。
大切なのは、他の花々といかに組み合わせ、四季を通して美しい庭を作るか
それはまるで、それぞれの花が和音となって、”音楽を奏でる”ような感覚なのだそう。

花の色合いと、花が咲く季節。
それぞれの場所に合った品種を見極め、組み合わせることが大切だと教えていただきました。

お話のあとには、参加者の方々からの質問コーナーも。
白砂先生は、私は育て方の専門家ではないですが…とおっしゃりながらも、「バラはどうやって接ぎ木したらいいか?」などといった質問に的確に答えられていました。

たとえ枯れてしまった品種があったとしても、また違う品種を植えてみて、その地の土に合ったバラを探せばいいと、白砂先生からのアドバイス。

白砂先生が手がけた美しい庭の数々を見た皆さんは、「”ohana”もこんなステキな場所にしたい!」と、元気をもらったよう。これからも試行錯誤を繰り返しながら、庭づくりを進めていきたい、と話していました。

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このohana会の活動には、京都景観フォーラムの京都景観エリアマネージャー、梅野 星歩さんもアドバイザーとして参加しています。

(昨年度の総会でエリマネの活動紹介をしている梅野さん:中央)


梅野さんは、長岡京市の「庭造り 梅鉢園(うめばちえん)」という造園会社の代表を務めている、庭づくりのプロフェッショナル。
景観エリアマネージャーとしてのスキルと、ご自身の得意分野である庭づくりの技術を活かして、活動のお手伝いをしていきます!

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来年の春、”ohana”にはどんな花が咲いているでしょうか…?

(写真:上鳥羽北部いきいき市民活動センターfacebookより)

 

コミュニティガーデン”ohana”の最新情報・イベント情報は、こちらからチェック!
▼上鳥羽北部 facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100024761447839


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●京都景観フォーラムの地域サポート活動の紹介はこちら
https://kyotokeikan.org/activity/support

京都景観エリアマネージャーへの第一歩はこちら【現在開講中!単回受講もOKです】
●京都景観エリアマネジメント講座
https://kyotokeikan.org/activity/course


文・写真:土谷 真咲(京都景観フォーラム 広報チーム)

 

【七条大橋】夏の夜にアーチ橋が浮かび上がる!七条大橋ライトアップ2019

今年3月、国の登録有形文化財に登録された七条大橋

▼【七条大橋】文化財登録おめでとう!~記念式典レポート&インタビュー~
https://kyotokeikan.org/2019/06/18/1701/

そんな七条大橋の夏の風物詩、「七条大橋ライトアップ」の点灯式に参加してきました!

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今年の七条大橋ライトアップは、8月4日、5日、6日の3日間。
初日の4日(日)に行われた点灯式は、前回の記念式典と同じく、七条大橋のたもとの川岸で行われました。

今年の点灯式では、文化財登録を祝い特別に「7色の照明」でライトアップされるとのこと。
楽しみです!

このライトアップは、“七条大橋を大切にし、綺麗にしてあげたい”という想いで毎月橋のおそうじを続けている、「七條大橋をキレイにする会」の皆さんが主催されています。

当日はとても暑い日でしたが、夕方になると爽やかな風がそよぎだしてきました。
夕暮れの川辺、会場に集まった皆さんと始まりを待ちます。

点灯式のスタートを飾るのは、藤村 正則さんらによる雅楽演奏。

ちょうど日が落ちる寸前の淡い空に、笛の音が幻想的に響きます。
七条大橋の、100年以上の歴史に想いをはせて…

主賓者のあいさつは「七條大橋をキレイにする会」で共同代表をつとめる、七条大橋近くの酒屋「集酉楽サカタニ」の酒谷 宗男さん、そして京都景観フォーラムのメンバー、小林 明音から。

酒谷さんは先日の文化財登録の記事のインタビューでもコメントいただいていたように、七条大橋のことを本当に大切にされています。

毎月のおそうじでキレイにしている七条大橋が、今日は一段と輝きますね。

 

来賓方のご挨拶、京都市立芸術大学「チーム音花」さんによる「常磐津演奏」と続きます。

そして日没。

点灯式のトリを飾るのは、七條大橋をキレイにする会のテーマソング「七條大橋の上には」を歌う音楽デュオ、「フラリー・パッド」さんの演奏です。

一度聴いたらメロディーが耳から離れない、「七條大橋の上には」。
皆さんの気持ちがひとつになったところで、点灯のカウントダウンが始まりました!

1、

2、

3、

4、

5、

6、

7!

七条大橋にちなみ、7のカウントでライトが点灯!

美しいアーチが夜空に浮かび上がりました。

見ていると、ライトアップの色がつぎつぎに変わっていきます。

赤、緑、紫などの「7色のライトアップ」。

鮮やかな色が橋の優美なアーチのデザインを引き立たせ、とても美しい光景でした。

 

川辺に用意された、お茶席やベンチでくつろぐ地域の皆さん。

こんなロマンチックな光景も…

皆さん、七条大橋とともに、思い思いの夏のひとときを過ごされたようですね。


ライトアップは本日6日(火)まで。19時半~21時の間で開催されています。ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

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■「七條大橋をキレイにしよう!」facebook
https://www.facebook.com/shitijyoohashi

 

▼【七条大橋】講演会「七条大橋の文化的価値を学ぶ」 ~会場レポート&インタビュー~
https://kyotokeikan.org/2019/02/14/1460

▼【七条大橋】文化財登録おめでとう!~記念式典レポート&インタビュー~
https://kyotokeikan.org/2019/06/18/1701/

 

▼七条大橋を含む、京都景観フォーラムの地域サポート活動の紹介はこちら
https://kyotokeikan.org/activity/support


文・写真:土谷 真咲(京都景観フォーラム広報チーム)