講座
公開日:2023.09.27
【実践講座2023】第4回〜まちづくりの現場から話を聞く〜
京都景観エリアマネジメント講座の実践講座は、地域の景観まちづくりの現場の体験やグループワーク、個人レポートの作成などを通じて「自分がどのように景観まちづくりに貢献していけるか?」を考えるプログラムです。
基礎講座・実践講座の両方を修了すると「京都景観エリアマネージャー(エリマネ)」として認定。京都景観フォーラムの景観まちづくり活動に参加することができます。
9月に開催された実践講座の第4回では、地域の景観まちづくりのリーダーからお話を伺いました。
まずは、「祇園新橋景観づくり協議会」副代表の永田さんのお話です。
時代が変化していく中で、お茶屋の減少、業種・業態の多様化が進み地域のまとまりが弱くなったこと、「祇園の文化をどう受け継いでいくか」が課題となり、そのために協議会を立ち上げてまちづくりに取り組んでいることをお話いただきました。
直近ではコロナ後のインバウンドの回復による観光客のマナー対策などが課題であり、中期的には、商いと景観保全のバランスをどうとっていくのか、が課題となっているそうです。
「協議会で事前協議をする際、相手の事業者は”仕事”としてやっておられるので、それに対してこちらが”ボランティア”というのは言い訳にならない。仕事をふたつ持っているような感覚でやっています。」とのお言葉が印象的でした。
午後からは、「桂坂景観まちづくり協議会」事務局長の長坂さんにお話いただきました。
建築協定を主体にしたまちづくりで、良好な景観と健康的な住環境の維持を目指していること。そのために建築協定に加えて、地区計画、地域景観づくり協議会制度など、諸制度をうまく組み合わせて活用していることをご紹介いただきました。
制度を活用したまちづくりのほかにも、桂坂のしぜん図鑑の作成や、フォトコンテストなど、桂坂の魅力を再発見して住民で共有し、地域外へ発信していく取り組みを行っています。
その一方で、急速な高齢化などを背景に自治会加入率が急減しており、協議会も含めて地域活動の担い手不足が大きな課題となっているそうです。
祇園新橋、桂坂、両地区ともに、それぞれの地域の良さを維持・発展させるため様々な工夫を凝らしながら活動していることがわかりました。また、地域住民同士のつながりが希薄化していく中で、活動を継続していくことへの課題を抱えている点も共通していました。
受講生の皆さんは、タイプの違う地域のお話を比較しながら聞き、より景観まちづくりの現状を理解できたようです。
文・写真:森川 宏剛(京都景観フォーラム専務理事)
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