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公開日:2024.02.01

【基礎講座2023】第7回〜自然資源と観光資源の活用〜

2023年1月、景観エリアマネジメント講座基礎第7回が開催されました。

第7回のテーマは「自然資源と観光資源の活用」。
ひとつめの講義は、深町 加津枝先生(京都大学准教授)「京都の自然を活かした景観マネジメント」です。
嵐山を例に山の緑や川など自然景観と歴史的景観についてお話しいただき、「空間景観」という概念を知ることができました。

また、嵐山国有林の自然景観を守る取組についても解説いただき、先人の思いや努力を知りました。長年の人との関わりが今の自然景観を維持していることがわかりました。

ふたつめの講義は、村上 佳代先生(文化庁文化財調査官)「文化財を活かした観光まちづくり」です。
京都に全面移転された文化庁の取組全体像、そして文化財を観光資源として考える文化観光推進法の考え方、日本遺産制度など多くの施策についてお話いただきました。
また、保存と活用の新しい形「ユニークベニュー」についても学びました。京都景観エリアマネージャーとして考える範囲が広がり、楽しさや面白さを感じた講義でした。

最後は阿部 大輔先生(龍谷大学教授)「観光再生における景観マネジメント」です。
オーバーツーリズム問題の本質は交通や騒音など表面的なものではなく、まちが宿泊施設化していって地価が上昇し、人々がまちに住めなくなって地域コミュニケーションが消失してしまうことであると学びました。

観光とまちの生活を両立させるには、観光客の量、質そして、地域の人々の生活確保の議論が必要です。そのまちの人々の生活文化は観光としての魅力のひとつ。バルセロナ、アムステルダム、ヴェネツィアなど過去にオーバーツーリズムを経験したまちの対応は学ぶべきものが多いと思いました。

今回の講義から、「景観」は人々によって作られ、維持されていく文化であると教わりました。各講義後には受講生から多くの質問が出され、充実した一日となりました。

文・写真:畝 博之 (京都景観エリアマネージャー)


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