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公開日:2024.01.15

【基礎講座2023】第5回〜公共空間のデザイン〜

京都景観エリアマネジメント講座 第5回のテーマは「公共空間のデザイン」

まずは「私が景観マネージャーになったら…」と題して、3回目のワークショップが行われました。

最初に、4名の先輩エリアマネージャーからの活動紹介がありました。講座の受講のきっかけや、関わっているコミュニティカフェの運営状況、関わりかたにおける課題、古民家や伝統建築物の価値の見直しなど、各地域での多様な活動の現状を知ることができました。

紹介後は受講者の皆さんから多くの質問が出ていました。関わりのなかで専門的な知識を得たという先輩や、「建築や土木・文化財保護などの専門性がないからと躊躇せずに、受動的でよいから”小さなほっとけないこと”に関わっていくなかで、自分なりの役割を見つければ良い」という先輩のアドバイスは、何から始めていいかと困っている人に響いたのではないでしょうか。

次のパネルディスカッションでは、近隣住民の方達に参加してもらえるポイントとして、読書会の開催で親密感を増したことや、地域への愛着を持てるように地域の良い点を評価し自覚することなどが挙がりました。その後、受講生は3つのグループに分かれ、先輩エリアマネージャーを囲んでの意見交換を行いました。

最後に、各受講生から「景観エリアマネージャーになったら」というテーマで発表いただきました。すでに仕事で地域に関わっている方、これから関わっていければと考えている方、それぞれが、自分の立ち位置で想いを巡らせている様子が伺えました。


第5回の講義は、山口 啓太先生(京都大学大学院 准教授)の講座「景観デザインと多主体協働のまちづくり」です

97枚に及ぶスライドで見る膨大な資料をもとに、公共空間が景観の対象としてデザイン化されてきたことを「景観と都市デザイン行政の歴史」として辿りました。

横浜市や金沢市など、先進的な公共空間を都市行政に取り入れてきたプロセスを例に、それぞれの時代の課題と改善策についてわかりやすく説明いただきました。経済・健康・社会・環境に対しての住人の求める形を、ビジョンに組み入れてグランドデザインを策定していくスタイルが、世界各地の都市で展開されていることがわかりました。

また、すでに造られている公共空間の利活用が重要で、多様な主体が協働して活用するためのマネジメントが求められると気付かされました。公共空間のデザイン化には、まさに景観エリアマネージャーが必要な人材だ、と強く印象に残る講義でした。

 

※今年の基礎講座 第5回は2日間に分けて開催されました。

文・写真:山本 恭子(京都景観エリアマネージャー)


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