お知らせ
公開日:2019.02.14
【七条大橋】講演会「七条大橋の文化的価値を学ぶ」 ~会場レポート&インタビュー~
2月11日に開催された講演会、「七条大橋の文化的価値を学ぶ」。
七条大橋の清掃活動を続けている「七條大橋をキレイにする会」と京都景観フォーラムの共催で開催されました。
会場は、スタッフの方々が七条大橋の毎月の清掃活動にも参加されている、ハイアットリージェンシー京都。
雪もちらついた寒い日でしたが、会場はいっぱいに。七条大橋の魅力を知ろうと、約70名の方々が参加しました。
「七條大橋をキレイにする会」の共同代表で、京都景観フォーラムの事務局長でもある小林 明音の挨拶で始まった講演会。
初めに、京都景観フォーラムの森本 浩行 副理事長より、
七条大橋のもつ価値と、会の活動についての紹介がありました。
国の登録有形文化財にも答申された、七条大橋。
「公共物にも関わらず、市民活動が主体となり活動を継続している。
これは本当にすごいことです。」
会の熱意に感極まり、思わず涙…?!というシーンも。
会場が温かい雰囲気に包まれました。
次に、構造や意匠の面から、橋の魅力をわかりやすく紹介してくださったのが
近畿大学教授の岡田 昌彰先生。
RC・アーチ橋、自由な造形、森山松之助、という3つのキーワードで
七条大橋が持つすごさを読み解いていきます。
ご自身でも、「大学1年生の授業のようですが」とおっしゃっていた講演は
とてもわかりやすく、あちこちで納得のうなずきが見られました。
最後の講演は、京都女子大学教授の斎藤 英俊先生。
文化庁文化財保護部での勤務経験もあられる斎藤先生には
「近代化遺産」というテーマから、さまざまな事例を紹介していただきました。
最後に、もう一人の共同代表である酒谷 宗男さんの挨拶で、講演会が締めくくられました。
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今回のインタビューでは、京都景観フォーラムでの活動をきっかけに「七條大橋をキレイにする会」の立ち上げに携わった
小林事務局長へ、会に対する想いを聞きました。
「七條大橋をキレイにする会」共同代表/京都景観フォーラム事務局長
小林 明音
京都景観フォーラムが七条大橋に関する取り組みを始めたのは、2011年。
私もメンバーの一員として、2013年の竣工100周年を祝うイベントをお手伝いさせていただきました。
しかし、100周年のイベントが終わってしまうと、その価値に目を向ける人は減っていき
気がつけば、七条大橋は草やゴミだらけのままでした。
そんなとき、
「自分のできることで、七条大橋を綺麗にしてあげたい。」
七条大橋の近くで酒屋を営んでいた酒谷 宗男さんのその想いに賛同し、自分たちの手によるお掃除が始まりました。
2015年、7月7日のことでした。
初めてのお掃除の日は、口コミで募集したにも関わらず12人の方がいっしょにお掃除をして下さいました。12人ではとても足らないほど、たくさんの草が生えていたことを覚えています。
そのことがきっかけとなり、毎月7日の9時から、有志が集まって七条大橋の清掃活動を行うようになりました。今年の2月に44回目を迎えた活動は、一番多い時で100人を超す参加者の方に来ていただき、今も毎回50名から70名ほどの方が参加してくれています。
夏にはたくさんの方のご寄付や協力をいただき、七条大橋のライトアップを実施。本日の講演会も開催することが出来ました。
そして、昨年2018年11月に飛び込んできた、国の登録有形文化財へ答申のニュース。このようなムーブメントが後押しとなり、七条大橋の価値が認められたようで、とても嬉しく思っています。
今日の講演会を始め、イベントの時にはいつも、ボランティアのスタッフがお手伝いしてくれています。様々な立場の人が七条大橋に関わってくださることに、心から感謝しています。
これからも七条大橋の清掃活動を続けていきたいと思っていますので、ご興味のある方はぜひお気軽に参加してみてくださいね。
メンバー皆でお待ちしています。
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開演前の待ち時間に流れていたのは、なんと七條大橋をキレイにする会の“テーマソング”!
地元出身のアーティストが歌う優しいメロディーの曲で、皆さんのお掃除風景がPVになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DJ6XnTUDKtg(「七條大橋の上には」 フラリーパッド)
七條大橋をキレイにする会の活動に興味を持たれた方は、こちらから。
毎月のお掃除の開催情報も掲載しています。
■七條大橋をキレイにする会 facebook
https://www.facebook.com/shitijyoohashi
●七条大橋を含む、京都景観フォーラムの地域サポート活動の紹介はこちら
https://kyotokeikan.org/activity/support
文・写真:土谷 真咲(京都景観フォーラム広報チーム)