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講座

公開日:2022.01.31

【エリマネ講座】基礎7回~自然資源と観光資源の活用~

1月に開催された、京都景観エリアマネジメント講座 基礎講座の第7回。

今回は「自然資源と観光資源の活用」をテーマに、研究者や行政の実践者として活躍をしておられる3人を講師にお招きしました。

この回は本年度より新たに加わった内容。京都の景観を考えるうえで必須の項目である「自然、みどり」「観光」「文化財」について学びました。


最初の講義は深町 加津惠先生(京都大学大学院准教授)です。「京都の自然を活かした景観マネジメント」というテーマでお話いただきました。

景観マネジメントにおいては、自然のメカニズム(地形や地質)を大切にするべきだということ、また、それに沿った「京都市緑の基本計画」の概要をうかがいました。

さらに、先生がこれまで研究対象としてこられた「嵐山における景観マネジメント」のお話で、講義は一気に佳境に。

嵐山の歴史的景観の特徴(空間構造や人と自然の関わり)や森林、治水について、写真や過去の絵図などを豊富に使ってお話いただきました。具体的な話に引き込まれ、時間はあっという間に過ぎてしまいました。

実践コースでも毎年テーマに取り上げている「嵐山の景観」。景観における自然、地形、歴史を読み解く大切さを学んだ講義でした。


次は、こちらも京都の景観マネジメントには欠かせない「観光」の視点からのお話です。

阿部 大輔先生(龍谷大学教授)から「観光再生における景観マネジメント」いてお話いただきました。

コロナ感染症のパンデミック以前には京都へ多くの観光客が内外から押し寄せ、「オーバーツーリズム・観光公害」が問題となっていました。

先生はオーバーツーリズムが都市の在り方、景観に与える影響について世界8つの都市を研究された経験から、「観光による「混雑」だけを見ていると本質を見誤る」とおっしゃっていました。

「観光のかたちはこれまでの「マスツーリズム」から「暮らすように旅するかたち」へと変化している。そのことで、混雑だけではなく、観光地の「テーマパーク化」が観光地を疲弊させ、その景観にも悪い影響を与えていると警鐘を鳴らされています。

ポストコロナの観光政策まで話は及び、観光と景観マネジメントの深い関わりを実感することができました。


この日の最後は、これも歴史都市と言われる京都の景観マネジメントに欠かすことのできない要素、「文化財の利活用」ついての講義です。

講師は多くの地域で文化財の利活用の「仕掛け人」的活動をされている、文化庁地域文化創成本部 文化財調査官である村上 佳代先生

まず、文化庁がこれまでの文化財の「保存」一辺倒から、「保存するための利活用」に大きく舵を切った「文化芸術推進基本計画」について説明いただきました。さらに、国指定の重要な文化財のみならず、地域で大切されてき文化財を残してゆくための文化庁の取り組みについて話をうかがいました。

「これからは地域を「鳥の目」で見て、地域全体全体で、その文化財を活かした観光を考えるべき」とし、先生がこれまで関わってこられた多くの地域の実例を紹介いただきました。

社寺や美術工芸品、茶道、能といった文化財に恵まれ、それらが景観において重要な役割を果たしているまち、京都。そこでの文化財の保護と利活用のバランスについて、先生が実践してこられた活動の多くにヒントを得ることができました。


今回は3人の先生方からお話をお聞きし、さらに学びが深まった1日となりました。

基礎講座も、いよいよあと最終回の第8回を残すのみです!講義の後には修了式も予定されています。

文・写真: 村井 直也(京都景観フォーラム 理事)

 

 

京都景観エリアマネジメント講座は、2022年2月まで月1回のペースで開催しています。

1講義ごとの受講も可能【 1講義あたり 4,000円、学生(大学院、大学、専門学校など)は2,000円】ですので、興味がある回にお気軽にご参加ください!


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